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概要 スキングラード?にあるジュリアノス大聖堂?の地階にあるスキル書物。 通常は侵入自体違法だが、クエスト「巡礼」を進めて九大神教団に所属するようになると、普通に侵入できるだけでなく書物の取得も適法となる。 価値 25 重量 1 見た目 本(小) 上昇スキル 回復 本文 全19ページ。 大いなる旅 ウォーヒン・ジャース 著 ヴァララは美しくて、優しく、かわいらしく、賢く、可憐で、元気の良い少女だった。両親の望んだもの全てをもって生まれてきたような子だった。あまりにも完璧な子だったので、両親は彼女の将来に期待をせずにいられなかった。父親はマンセンという名の成り上がり者だったが、娘が将来位の高い人物と結婚するに違いないと信じており、帝都の王妃になるかもしれないとすら思っていた。母親はシネッタという気の弱い女性で、娘は自分の力で栄光を掴むだろうと思っており、偉大な騎士や魔術師になったヴァララを思い描くのだった。両親それぞれの期待は大きく、ときには娘の将来について言い合いになったりもした。しかし、どちらの予想通りにもならなかった。健やかに育つと思われた娘は、重い病にかかってしまったのだ。 どこの神殿につれて行っても、あきらめるように言われるだけだった。魔術師ギルド?では、ヴァララの症状が非常に珍しく、致命的で、効果的な治療法はないとまで言われた。彼女は近いうちに死ぬ運命にあるのだ。 帝都?の権威ある施設が何もできなかったので、マンセンとシネッタは魔女や流浪の妖術師、その他社会の闇に住む人々に望みをかけた。 「ひとつだけ、治してくれそうな場所がある」ロスガリアン山脈の人里離れた峰に住む薬剤師は、訪ねてきた夫婦に言った。「オレンヴェルドの魔術師ギルド?じゃ」 「でも、魔術師ギルド?にはもう行ってみましたよ」と、マンセンは言った。「彼らは何もできなかったんです」 「オレンヴェルドに行け」と、薬剤師はなおも言った。「そこへ行くことを誰にも告げずにな」 現在の地図にはオレンヴェルドという地名はなく、それがどこなのかを探すのは大変だった。やっとのことで、スカイリム?の本屋にあった第二紀の地図作成法に関する古書の中にその地名を見つけることができた。オレンヴェルドは北の海に浮かぶ島にある町の名前だった。そしてその島は、ウィンターホールドから夏潮に乗って船で一日のところにあるらしかった。 娘を冷たい海風から守るために暖かい布で何重にもくるみ、夫婦は古い地図だけを頼りに船を出した。二日近くのあいだ、船は同じところをぐるぐる回り続け、夫婦はなにかの罠にかかったような気持ちで不安になった。そんなとき、やっと島影が見えた。 打ち寄せる波が砕けて霧になり、そのむこうに2つの崩れかけた石像が見えた。その石像の間が港になっているらしかった。港の船はみなぼろぼろで沈みかけていた。マンセンが港に船をとめ、3人はこの絶海の孤島の町に足を踏み入れた。 窓の割れた酒場、枯れた泉のある広場、崩れた宮殿、焼け焦げた住宅、からっぽの商店、打ち捨てられた馬小屋。全てが荒れ果て、動くものといえば海から吹く風だけだった。風がぼろぼろの町を吹き抜けると、気味の悪い叫びのような音があたりに響いた。全ての通りや小道に沿って墓場が並び、ところどころで倒れた墓石が道をふさいでいた。 マンセンとシネッタは顔を見合わせた。寒気がするのは、風のせいだけではなかった。それから彼らはヴァララに目をやり、また歩き出した。彼らの目的地―― オレンヴェルドの魔術師ギルド?へ。 暗い巨大な建物の窓にろうそくの火が輝いていた。この死の島に人がいることはわかったが、夫婦はまだそれほど安心できなかった。彼らは扉を叩き、中で待っているであろう恐ろしいことに向き合う覚悟を決めた。 扉を開けたのは、縮れた金髪で、太った、中年のノルド?女性だった。その後ろに、同じく中年の人のよさそうな禿げたノルド?人男性が立っていた。その後ろにおとなしそうな10代のブレトン?のカップルが、子供のような落ち着きのなさを見せながら立っていた。それに、ひどく年老いた赤い顔のブレトン?の男性がおり、夫婦に向かって嬉しげに笑いかけていた。 「あらあら、なんてこと!」と、ノルド?の女性が驚いた様子で言った。「ノックの音が聞こえたとき、空耳にきまってると思ったわ。お入りなさい、さあ、外は寒かったでしょう!」 三人は招かれるまま扉をくぐり、ギルド本部が少なくとも廃墟ではなかったことにほっとした。建物の中はきれいに掃除されており、明るく、華やかに飾り付けられていた。そして、そこにいた人々の自己紹介がはじまった。このギルドに住んでいるのは2家族で、ノルド?のジャルマーとネット、そしてブレトン?のライウェル、ロザリン、ウィンスター老だった。彼らはみな愛想がよく親切で、マンセンとシネッタがここへ来た目的と、治療師や薬剤師に見放されたことを話しているうちに、温めたワインとパンを持ってきてくれた。 「それで……」と、シネッタは涙を流して言った。「オレンヴェルドの魔術師ギルド?を、見つけられるかどうかもわからなかったんです。でも、やっと見つけてここまでやって来ました。お願いします、どうか助けてください、あなたがたが最期の望みなんです」 ギルド本部に住む5人も、これを聞いて目に涙をためた。ネットがやかましく鼻をすすった。 「ああ、それはそれは、辛かったでしょうね」と、このノルド?女性は泣き叫ぶように言った。「もちろん、助けますとも。お嬢ちゃんはすぐ元気になりますからね」 「本当のことを言うと……」」ジャルマーの声は少し冷静だったが、彼もまた心を動かされているのは明らかだった。「ここは魔術師ギルド?ですが、私たちは魔術師ではないのです。この建物が捨てられていたので、住んでいるだけなのです。それにここは、私たちの大いなる旅の目的にもぴったりでしたから。私たちは死霊術師?です」 「死霊術師??」シネッタは震えだした。こんな気のいい人たちがそんな恐ろしいことをやっているのか? 「そうですとも」ネットがほほえみ、シネッタの手を握った。「私たちの評判が悪いのは知ってますよ。残念ですけど。昔から良くは言われてなかったけど、最近じゃあの気はいいけど頭の良くない大賢者ハンニバル・トレイヴン?のせいで――」 「あんなやつ虫の王に食われちまえ!」と、突然、老人が苦々しげに叫んだ。 「もう、ウィンスター」ロザリン少女が老人をなだめ、頬を赤らめてシネッタに謝った。「ごめんなさい、普段は急に怒鳴ったりしないんだけど」 「いや、ウィンスターの言うとおりですよ。最後にはマニマルコがなんとかするでしょう」と、ジャルマーが言った。「でも今は、とにかくやっかいなことになってるんです。トレイヴン?が死霊術?を禁止したもので、私たちは隠れなきゃいけなくなったんです。それでなきゃ、死霊術?を捨てなくちゃならないんですから。本当に死霊術?を捨ててしまった者もいますが、馬鹿げたことですよ」 「オレンヴェルドは、タイバー・セプティム?が自分の墓場をつくったせいで誰も住まなくなって、忘れられたんです」と、ライウェルが言った。「ここを探し当てるのに1週間かかったけど、僕たちにとってはすごくいいところですよ。ほら、死体もたくさんあるし……」 「ライウェル!」ロザリンがたしなめた。「この人たちを怖がらせないでよ!」 「ごめんなさい」と、ライウェルはおどおどした笑顔で謝った。 「あなたがたがここで何をしているかはいいんです」と、マンセンが、厳しい調子で言った。「どうやって娘を助けていただけるのかが知りたいんです」 「そうですね」ジャルマーが肩をすくめた。「私たちにできるのは、娘さんが死なずにすんで、二度と病気にかからないようにすることです」 シネッタは息をのんだ。「お願いします! どんなお礼でもしますから!」 「そんなものいりませんよ」と、ネットはそう言うと、ヴァララをそのでっぷりと大きな腕に抱いた。「なんてかわいらしいお嬢ちゃんなの。元気になりたいのよね、かわいこちゃん?」 ヴァララは力なく頷いた。 「ここで待っててください」と、ジャルマーが言った。「ロザリン、この人たちにこんなパンよりちゃんとしたものをお出ししなさい」 ネットがヴァララを連れて行こうとしたので、シネッタは慌てて彼女を追いかけた。「待ってください、私も行きます」 「ああ、気持ちはわかりますけど、呪文がきかなくなると困りますから」と、ネットは言った。「何も心配いりませんよ、私たちはこんなこと、もう何十回もやってるんですから」 マンセンが妻の肩を抱き、落ち着かせた。ロザリンは急いで台所に行き、焼いた鶏肉と温めたワインのおかわりを持ってきた。彼らは黙ってそれらを食べた。 突然、ウィンスターが身震いをした。「あの女の子が死んだぞ」 「ああ!」シネッタが息をのんだ。 「いったいどういうことです!?」と、マンセンは叫んだ。 「ウィンスター、そんな余計なこと言わなくて良かったんじゃないか?」ライウェルが老人を叱り、それからマンセンとシネッタに向かってこう説明した。「あの子は、死なないといけなかったんです。死霊術?っていうのは、病気を治すんじゃなくて、死者を甦らせる術だから。生まれ変わらせて、病気の部分だけじゃなく、全身を新しくするんです」 マンセンは怒りに震えながら立ち上がった。「あの異常者どもが娘を殺したというのなら――」 「殺していません」と、ロザリンが遮って言った。控えめだった瞳には情熱の炎が燃えていた。「娘さんは、ここに入ってきた時にはもうほとんど息がなかったんです。厳しいことを言ってごめんなさい、でも、娘さんを懸命に助けようとしてるあの2人を『異常者』なんて言わないで」 「でも、あの子は生き返るんでしょう?」と、シネッタはひどく泣きながら言った。 「もちろん」と、ライウェルが顔中で笑って言った。 「ああ、ありがとうございます。ありがとうございます」シネッタはそう言うとますますひどく泣き出した。「本当に、どうしていいかわからなくて――」 「お気持ちはわかりますよ」と、ロザリンが、ウィンスターの腕を優しくさすりながら言った。「このウィンスターが死にそうになった時、私も彼のために何でもしようという気持ちになりましたもの。ちょうど今のあなたたちのように」 シネッタはそれを聞いてほほえんだ。「お父さんはおいくつなのかしら?」 「息子です」と、ロザリンが訂正した。「ウィンスターは6歳です」 部屋の反対側から、小さな足音が近づいてきた。 「ヴァララ、お父さんとお母さんのところへ行って抱きしめてあげなさい」と、ジャルマーの声が言った。 マンセンとシネッタは振り返った。そして、叫び声があたりに響きわたった。 スキル書物 書物 アイテム autolink
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概要 帝都闘技場地区?にある闘技場の流血路?にあるスキル書物。 そのまま取得しようとすると違法になるが、闘士になれば合法的に取得ができる。 価値 25 重量 1 見た目 本(小) 上昇スキル 運動 本文 全14ページ。 ザレクの身代金 ドゥーマー?太古の物語 第1部 マロバー・サル 著 ジャレミルは彼女の庭園に立ち、召使いが持ってきた手紙を読んだ。手にしていたバラの束が地に落ちた。一瞬、鳥のさえずりが消え、雲が空を覆った。丁寧に育て、作り上げてきた安息の地が暗闇に包まれた。 「息子は預かった」手紙にはそう書かれていた。「近いうちに身代金の要求をする」 やはりザレクは、アッガンに辿り着けなかったんだわ。道中の強盗、多分オーク?か憎たらしいダンマー?に、上品な乗り物を見られて人質にとられたんだわ―― ジャレミルは柱にもたれ掛かり、息子に怪我がないかを案じた。彼はただの学生で、装備の整った男たちと戦えるような子ではないけど、殴られたりしていないかしら―― 母親の心には、想像するに耐え難いことであった。 「もう身代金を要求する手紙が来たなんて言わないでよね」聞き覚えのある声と見慣れた顔が垣根の隙間から見えた。ザレクであった。ジャレミルは涙を流しながら、急いで少年を抱きしめに行った。 「何が起こったの?」彼女は声を上げた。「誘拐されたんじゃなかったの?」 「されたよ」と、ザレクは行った。「フリムヴォーン峠で、もの凄く大きなノルド?3人が、僕の乗り物を襲ったんだ。マサイス、ユリン、コーグ、この3人は兄弟だって分かったの。母さんにも見せてあげたかったな、本当に。もし正面玄関をくぐろうとしたら苦労すると思うよ」 「何が起こったの?」と、ジャレミルは再度問いかけた。「助けられたの?」 「助けを待とうとも考えたんだけど、身代金要求の手紙を送るって分かっていたし、母さんが心配性なのも分かっているから。だから、アッガンの先生がよく言っていた言葉を思い出したんだ、落ち着いて、周りを良く見て、敵の弱点を探る」ザレクはにっこりと笑った。「彼らは本当に怪物だったから、すこし時間が掛かっちゃったけどね。それで、彼らがお互いに自慢しあっている話を聞いたとき、彼らの弱点は虚栄心だって分かったの」 「それで何をしたの?」 「カエルに近い、幅広い川を見下ろす小高い丘の森のキャンプで鎖につながれていたの。コーグが、あの川を泳いで往復するには1時間近く掛かるだろうって、他の二人に話しているのを聞いたんだ。二人とも同感でうなずいていた、そのとき話しかけたんだ」 「僕なら30分で戻ってこられるね」そう僕は言ってやった。 「無理だ」と、コーグが言い放った。「おまえみたいな子犬より、俺のほうが早く泳げる」 「そこで、2人とも崖から飛び降りて、真ん中の島まで泳いで帰ってくるって決めたんだ。お互いの岩まで行ったとき、コーグが義務付けられているみたいに水泳のコツを僕に説教し始めたんだ。最大の速度のための、連動した腕と足の動きの重要性。息継ぎは、頻繁すぎて遅くならず、少なすぎて息切れしないように、必ず3、4回水を掻いたあとにすることがどれだけ肝心か。彼が言うコツに同意して、うなずいたんだ。それでお互いに崖から飛び込んだの。1時間ちょっと掛けて島まで泳いで帰ってきたけど、コーグは戻ってこなかった。彼は崖の下にある岩で頭をかち割っていたんだ。水の動きで水面下の岩が分かったから、飛び込むのに右の岩を選んだの」 「それで戻っちゃったの?」と、驚いたジャレミルは聞いた。「そのときに逃げたんじゃないの?」 「そのとき、逃げるのは危険すぎたよ」と、ザレクが言った。「彼らは僕を簡単に捕まえられただろうし、コーグが消えた責任も負わされたくなかったしね。彼に何が起きたか分からないと言ってから、ちょっと探した後で、彼らはコーグが競争のことを忘れて、向こう岸で食料でも狩っているのだろうって思ってくれたの。僕が泳いでいたのは見えていたし、彼の失そうに関係があるとは思えなかったんだろうね。兄弟は僕が逃げられないように理想的な場所を選んで、岩の多い、崖のふちに沿ったところにキャンプを張り出したんだ」 「兄弟の一人、マサイスが、下の入り江の周りを巡る土の質と、岩の緩やかな傾斜について意見を言い始めたんだ。競争に理想的だ、そう彼は言った。僕がその競技について何も知らないことを伝えると、彼は競争に適した技術の一部始終を教えたがったんだ。変な顔を作って、どれだけ鼻から息を吸って口から出すことが必要かとか、どのように膝を適切な角度まで持ち上げるかや、足運びの重要性などをね。一番重要なのは、勝つつもりなら走者は積極的な、でも疲れすぎない速度を保つべきだと言った。二番手を走ってもいい、もし最後に追い抜く意志と体力があるならって言ったんだ」 「僕は熱心に聞き入ったよ、そしてマサイスは、夜になる前に入り江のふちの周りで簡単な競争をすると決めたんだ。ユリンは僕たちに、戻るときに薪を持ってこいと言った。僕たちは細道を過ぎたらすぐに、崖のふちに沿って走り始めたの。息や足取りや足運びは彼の忠告通りにしたけど、最初から全速力で走った。彼の足のほうが長いにもかかわらず、最初の角を曲がったとき、僕は彼の数歩前を走っていたんだ」 「彼の目は僕の背中に置かれていて、マサイスは僕が飛び越えた崖の割れ目が見えなかったんだ。叫ぶ間もなく下に落ちて行ったよ。キャンプに居るユリンのところへ戻る前に、数分かけて何本か小枝を拾ってから戻ったんだ」 「まったく、調子に乗って」と、しかめ面をしたジャレミルが言った。「間違いなく、その時に逃げればよかったのに」 「そう思うかもしれないけど」と、ザレクは同意しながら言った。「でもね、あの地形を見れば分かるよ―― 大きな木が何本かあって、他は低い木ばかりだったんだ。ユリンは僕が居ないことに気付いただろうね。すぐに追いつかれたら、マサイスが居ないことを説明するのがとても難しかったと思う。だけどね、手短に周辺を見て回れたおかげで何本かの木をじかに見られたから、最後の計画を立てられたんだ」 「僕は何本かの小枝を持ってキャンプに戻り、マサイスは大きな倒木を引っ張っているから、戻るのに時間がかかっているとユリンに言ったんだ。そうしたらユリンはマサイスの腕力をあざ笑って、彼では生きている木を引き抜いて燃やすには時間がかかると言ったんだ。僕は言ってやったんだ、そんなことはできないでしょうと」 「『見せてやるよ』と彼は言い、10フィートもの木を楽々と引き抜いたんだ」 「『でも、それはただの苗木だ』と僕が意見したんだ。『大木を引っこ抜けると思ってたのに』」彼の目は、僕の視線を追い、その先にある素晴らしい大木を見た。ユリンはその大木をつかんで、凄まじい力で根から土を離そうとゆすり始めたんだ。それで、木の一番上の枝から垂れ下がっていた蜂の巣が緩んで、彼の頭の上に落ちたんだ。 「母さん、僕はその時逃げたんだ」ザレクは少年らしい誇らしさで締めくくった。「マサイスとコーグは崖の下、そしてユリンは蜂の大群に飲み込まれて必死になっているときにね」 ジャレミルはもう一度息子を抱きしめた。 出版社注: 私は「マロバー・サル」の作品を出版する事に気が進まなかったが、グウィリム大学出版局がこの版の編集を依頼してきた時、この機会にきっぱりと事実を明確にしようと決めた。 学者たちはマロバー・サルの作品の正確な年代に関して同意していないが、それらの作品は、初代シロディール?帝都?の崩壊とタイバー・セプティム?が台頭するまでの空白期間に、一般的な喜劇や恋愛物語で有名な劇作家「ゴア・フェリム」によって書かれたものであるという説に大多数が同意している。現在の説が支えるのは、フェリムは本物のドゥーマー?の物語をいくつか聞き、金儲けのためにそれらを舞台に適応したり、自分の劇を書き換えたりしたという点だ。 ゴア・フェリムは自分の作品に妥当性を持たせるために、まただまされやすい人々にとってさらに貴重であるよう、ドゥーマー?の言語を翻訳できる「マロバー・サル」の人物像を作り上げた。注目すべきは、「マロバー・サル」と彼の作品が激しい論争の題材になったが、実際に誰かが「マロバー・サル」にあった信頼性のある記録もなければ、同名の人物が魔術師ギルド?やジュリアノス?、または他の知的団体に所属していた記録もない。 どうであれ、「マロバー・サル」の物語の中でドゥーマー?は、ダンマー?やノルド?やレッドガード?さえも服従させ、現在でさえも解明されていない遺跡を作った、恐ろしくて計り知れない種族に類似点を持っている。 スキル書物 書物 アイテム autolink
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概要 ものすごい妄想から始まり、どんでん返しで終わる、読み応えのある書物。 乙女心をもてあそんだ男には、大抵悲惨な結末が待っているのだ。 書店で見たことがないので、固定設置のみ? 遺跡アタタール?の最奥部で発見。 戦士ギルド?のクエスト「アザニ・ブラックハート?」で最奥部まで訪れることになるので、ついでに失敬しよう。 価値 10 重量 1 見た目 本(小) 本文 全20ページ。 パルラ 第2巻 ヴォンヌ・ミエルスティード 著 パルラ… パル… ラ… その名前は心に深く刻み込まれている。授業中、教官の言葉に集中しようとしている時も、気がつけばその名をささやいている。唇が無音の「パル」をかたどり、舌を軽く弾いて「ラ」を成す、あたかも目の前にいる彼女の霊に口づけをするが如く。乱心として自覚している点を除けば、あらゆる点において乱心の沙汰だ。恋に落ちたことは分かっていた…彼女が気高い女レッドガード?で、星も霞む程美しい猛烈な戦士だったことは分かっていた。彼女の若い娘ベタニキーがギルドに程近い領主邸を受け継ぎ、そして彼女が私のことを好きな、ひょっとしたら夢中になっていることも分かっていた。パルラが恐ろしい獣と戦い、殺したことも分かっていた。パルラは死んでいることも分かっていた。 前にも言ったが、乱心であることを自覚している、故に、狂っている訳ではない。確かなのは、愛しいパルラが怪物と繰り広げた最後の、恐ろしく、致命的な戦いの彫像を見に、ベタニキーの邸宅へ戻らなければならないことだ。 私は戻った、何度も何度も。もしベタニキーが同輩と違和感なく交流できる、違った性格を持った貴婦人であったなら、それほど戻る機会はなかったであろう。私の汚れた妄想に気付かない、無邪気な彼女は私との時を歓迎した。何時間も話し、笑い、そして毎回、光を反射する池の周りを散歩すると、必ず母親の彫像の前で息を忘れて立ちすくむ。 「先祖の一番輝いている姿をこのように残すのは素晴らしい伝統ですね」と、探るような彼女の視線を感じながら、私は言った。「また、職人も無比の腕前だ」 「信じてくれないでしょうけど」と、笑いながら彼女が言った。「曾祖父がこの習慣を始めた頃、ちょっとした騒ぎになったのよ。私たちレッドガード?が家族を敬う気持ちは大きいのだけれど、私たちは戦士であって芸術家ではないわ。だから彼は、最初の彫像を作るために巡業していた芸術家を雇ったの。誰もが彫像を称賛したわ、芸術家がエルフであることが明らかになるまでは。サマーセット島?から来たアルトマー?だったの」 「それは大変だ!」 「そのとおり」ベタニキーはまじめに首を縦に振った。「あの気取ったエルフの手が、気高いレッドガード?戦士の姿を作り出したと思うと、考えるのも嫌だし、冒とくだし、非礼だし、想像できるすべての悪に値するわね。でも、曾祖父の心は彫像の美しさしか見ていなかったの。最高のもので先祖を称える彼の哲学は私たちにも受け継がれているわ。種族文化に忠義を示せたとしても、劣る芸術家に親の彫像を作らせるなど考えもしなかったわ」 「どれもみな美しいです」そう私は言った。 「でも、私の母親の彫像が一番のお気に入りなのよね」と、彼女は笑いながら言った。「他の彫像を見ているようでも母の彫像を見ているものね。私のお気に入りでもあるのよ」 「もっと彼女のことを教えてくれませんか?」と、軽い声で、会話を交わすように問いかけた。 「母なら、自分はたいしたことないって言っただろうけど、彼女は素晴らしかったわ」と、娘は花壇の花を摘みながら語った。「私がまだ小さい頃に父親が死んだから、母はいろいろな役目を負ったけど、すべてを楽々とこなしたわ。私たちは沢山の事業を手がけているけれど、彼女はしっかりと運営していたわ、今の私など及ばないくらいにね。彼女が微笑みかけるだけで皆従ったし、意に反した人たちは酷い目にあったわ。気も利いたし、可愛らしくもあったけど、いざ戦いになったら恐ろしく強かった。数え切れないほど戦に出たけど、一瞬たりとも見捨てられたとか、愛されていないなんて思ったことはなかったわ。死にさえも勝てると思っていたわ。愚かなのは分かってる、でも、彼女がアレと戦いに行ったとき―― あの恐ろしい生物、いかれたウィザードの研究室から生まれた化け物、母が二度と帰ってこないなんて思ってもみなかった。彼女は友には優しく、敵には無慈悲だったわ。最高の女性だったの」 思い出から、可哀想なベタニキーの目には涙が溢れた。自分の歪んだ想いを満たすために、彼女の心をこれほど抉るとは、私は何と言う悪党なのだ? 私以上にシェオゴラス?が困惑させた人間はいないであろう。自分が涙ぐんでいることに気付くと同時に、胸いっぱいに欲望が広がるのを感じた。女神のように見えるパルラは、娘の話からすると実際に女神だったのだろう。 その夜、床に就くために服を脱いでいたら、テンディクサス教官の研究室から数週間前に盗み出した黒い円盤を再発見した。その存在を半分忘れかけていたが、愛する者を生き返らせることができると魔術師が信じた死霊術の秘宝である。ほとんど本能的に、私はその円盤を胸に押し当て、「パルラ」とささやいていた。 一瞬にして部屋の中に寒気が充満し、白い吐息が空中に漂った。恐怖を感じ、私は円盤を落とした。判断力が戻るまでに少々時間が掛かったが、避け難い結論に達した: この秘宝は私の欲望を満たせる。 愛しい人をオブリビオン?のしがらみから解放しようと明け方まで試みたが、無駄に終わった。私は死霊術師?ではない。教官の誰かに手伝ってもらうことも考えてみたが、イルサー教官に円盤を処分するように命じられていたのを思い出した。もし彼らのもとへ行き、彼らが円盤を処分することになれば、私はギルドから追放されてしまう。そして、愛する人を呼び寄せる、唯一の鍵も失われてしまうことになる。 次の日、私はいつもの半無気力状態で教室にいた。イルサー教官自ら、彼の専門分野である付呪学についての講義を行っていた。彼の声には変化がなく、内容も退屈だったが、次の瞬間、教室からすべてが消え去り、私は光の王宮に居るような感覚に陥った。 「人々が私の分野の科学を想像する場合、、彼らの大多数が発明の過程を想像します。魔力と呪文を融合させて物体に注入する。魔法の刃、または指輪の創作。しかし、熟練した付呪師は触媒の働きもします。何か新しいものを創作できる精神は、古いものから巨大な力を引き出すこともできるのです。初心者が暖かさを生み出せる指輪も、入門僧の手に掛かれば森林を灰の山にすることが可能です」と、含み笑いをしながら肥えた男は言った。「そのようなことを勧めている訳ではありません。それは破壊学の人達に任せましょう」 その週、修練僧は皆それぞれの専門分野を選択するよう求められた。私が、今まで愛してきた幻惑学に背を向けたことに、皆が驚いた。あのような上辺だけの魔法に愛着を持っていた自分のことをばかばかしく思えた。あの円盤の力を解き放つ手段となる付呪学に、今は、知力のすべてが注ぎ込まれている。 それからの数ヶ月間はほとんど寝なかった。自分を鼓舞し、力を与えるために、一週間のうち数時間をベタニキーや私の彫像とすごした。それ以外の時間は、付呪に関するすべてを学べるように、イルサー教官か彼の助手と一緒にすごした。彼らは私に、物体の中に蓄えられたマジカ?の真髄を教えてくれた。 「どれほど巧みに唱えても、どれほど華々しく唱えようとも、簡単な呪文でも、一度唱えてしまえば、はかない、そして今だけのものでしかない」と、ため息をつきながら、イルサー教官は言った。「しかし、居場所を与えれば、生きているようなエネルギーへと成長し、熟成され、そして成熟する。よって、未熟なものが手に入れても、そのエネルギーの表面をなでることしかできない。君は自分のことを、地面の奥深くへと潜りこんで、金脈の中心部を掘りあてる坑夫であると考えなさい」 毎晩、研究室が閉鎖した後に、学んだことを復習した。自分自身の力の増大を感じるとともに、また円盤の力も増大していた。「パルラ」そうささやきながら、ルーンに付いた小さなかすり傷や宝石の面に触れつつ、秘宝の奥深くへと潜りこんだ。時には彼女のすぐ近くまで行き、手が触れあうのを感じたこともある。しかし、必ず大きく暗い何かに念願の夢の実現を阻まれる、死の現実なのだろう。その後は必ず抗し難い腐敗臭が漂い、最近では隣の部屋の修練僧が文句を言い始めている。 とりあえず、「何かが床板の下に入りこんで死んだのでしょう」と、申し出た。 イルサー教官は私の学識を称賛し、さらなる研究のために、時間外でも彼の研究室を使うことを許してくれた。それにもかかわらず、何を学んでもパルラが近づいているとは到底思えなかった。ある晩、すべてが終わった。こう惚の中、彼女の名をうめき、あざができる程に円盤を胸に押し付けながら体を揺らしていると、窓から突然差し込んだ稲妻の光が集中を遮った。暴風雨がミル・コルップを覆った。雨戸を閉じて、机へと戻ると、円盤は粉々になっていた。 私は泣き狂い、そして笑った。莫大な時間と研究を注いだ後のこれ程大きな損失は、私の脆く壊れかかった心では受け止め切れなかった。熱にうなされながら、翌日と翌々日はベッドですごした。もし私が治癒師を多く抱える魔術師ギルド?の一員でなかったら、おそらくこの世には居なかっただろう。実際、私は仲間の若い学者たちにとって良い研究対象だった。 やっと歩けるまで回復した私は、ベタニキーに会いに行った。彼女はいつもと変わらず魅力的で、一度も酷かったであろう私の顔色や見た目には触れなかった。ついに、池の周りの散歩を丁寧に、かつ堅く辞退したとき、彼女に心配する理由を与えてしまった。 「でも、彫像を見るのが大好きじゃない」と、彼女が叫んだ。 私は彼女に真実とそれ以上のことを話す義務があると感じた。「お嬢さん、私は彫像以上にあなたの母親を愛しています。あなたと一緒にあの神聖な彫像の覆いを解いたときからの数ヶ月、彼女以外のことは何も考えられずにいました。私のことをどう思っているかは分かりませんが、彼女を生き返らせる方法を学ぶことに心を奪われていたのです」 ベタニキーは目を見開いて私を見つめた。そして、ついに言った。「どんな悪趣味な冗談か分からないけど―― 出て行って欲しいわ」 「冗談だったらと願いました、信じてください。でも、私は失敗したのです。愛が足らなかったのではないと思います、なぜなら私以上に誰かを強く愛した人はいないからです。もしかしたら、付呪師としての技量が足らなかったのかもしれませんけど、決して修練不足からではありません!」自分の声が荒げ、怒鳴り散らしているのは分かっていたが、もう止められなかった。「ひょっとしたら、あなたの母と私が一度も会ったことがないのが原因かも知れません、でも死霊術の呪文は術者の愛だけが考慮されるはずだし。もう、何が原因だったのか分からない! もしかすると、あの恐ろしい生物、彼女を殺したあの怪物が何らかの呪いを死の間際に掛けたのかも知れない! 私はしくじったんだ! そして、理由も分からない!」 小さな女性からは考えられない、驚くべき速さと力でベタニキーは私に体当たりした。そして彼女は叫んだ、「出て行け!」私は扉から飛び出した。 彼女が叩きつけるように扉を閉める前に、私は惨めな謝罪をした。「本当に申し訳ない、ベタニキー、でもこれは考慮してください、あなたに母親を連れ返してあげたかったのです。乱心じみているのは分かっています、でも、私の人生の中で確かなのは一つだけ、それは、私はパルラを愛していることです」 彼女は閉まりかけていた扉を少しだけ開き、震えながら問いかけた。「誰を愛していたって?」 「パルラ!」と、私は神々に向かって叫んだ。 「私の母の」彼女は腹立たしげにささやいた。「名前はザーリス。パルラは怪物よ」 私は暫くの間閉じられた扉を見つめ続け、魔術師ギルド?までの長い道のりを歩き始めた。私の記憶は、ずっと以前に愛する人の名前を初めて耳にし、あの彫像に魅入った「物語と獣脂」舞踏会のことを、細部まで思い起こしていた。あのブレトン?の修練僧、ゲリンが話していた。彼は私の後ろに立っていた。彼は女性のことではなく、獣の話をしていたのか? ミル・コルップの町はずれと交差する曲がり道を曲がったとき、それまで座って私を待っていた大きな影が地面から立ち上がった。 「パルラ」うめき声を上げた。「パル…ラ」 「くちづけを」それが、ほえた。 これで私の物語りは、今現在に追いつきました。愛は赤い、血のように。 書物 アイテム autolink
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大会概要 11名参加 優勝者:Matrioshka ◆Cbj0j7Tcs2 準優勝者:perio ◆O02l7pjP7w 以下は参加者デッキ Matrioshka ◆Cbj0j7Tcs2 ナヤのポッド風味に季節の火力を添えて 6 [NPH] Forest (2) 1 [SOM] Plains (2) 1 [SOM] Mountain (1) 4 [SOM] Razorverge Thicket 3 [M12] Sunpetal Grove 4 [SOM] Copperline Gorge 2 [M12] Rootbound Crag 2 [ISD] Gavony Township 1 [AVR] Slayers Stronghold 4 [M12] Birds of Paradise 3 [ISD] Avacyn s Pilgrim 1 [ISD] Geist-Honored Monk 1 [M12] Acidic Slime 1 [NPH] Elesh Norn, Grand Cenobite 1 [M12] Inferno Titan 1 [SOM] Wurmcoil Engine 1 [ISD] Fiend Hunter 1 [M12] Solemn Simulacrum 4 [DKA] Huntmaster of the Fells 3 [NPH] Blade Splicer 4 [DKA] Strangleroot Geist 1 [AVR] Zealous Conscripts 1 [AVR] Restoration Angel 1 [AVR] Borderland Ranger 4 [NPH] Birthing Pod 2 [M12] Oblivion Ring 2 [AVR] Bonfire of the Damned SB 1 [M12] Acidic Slime SB 1 [M12] Oblivion Ring SB 1 [ISD] Ancient Grudge SB 1 [DKA] Ray of Revelation SB 2 [NPH] Mental Misstep SB 2 [MBS] Hero of Bladehold SB 1 [MBS] Thrun, the Last Troll SB 2 [AVR] Divine Deflection SB 1 [AVR] Bonfire of the Damned SB 2 [NPH] Sword of War and Peace SB 1 [AVR] Zealous Conscripts 白いコントロールには絶対天使ちゃん入ってるもんで、かがり火が絶対サイドアウト出来なんだ。 結果的に非常に良かった。
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概要 帝都神殿地区?のハストレル・オッタスの家?に置いてあるスキル書物。 建物には普通に入れる時間帯があるので、読書だけなら適法、取得は違法。 狼の女王と呼ばれたポテマ?女王の物語。 価値 50 重量 1 見た目 本(中) 上昇スキル 話術 本文 全16ページ。 狼の女王 第5巻 ウォーヒン・ジャース? 著 筆:第三紀2世紀の賢者インゾリカス 第三紀119年 21年間に渡って皇帝アンティオカス・セプティム?はタムリエル?を治め、道徳面でのだらしなさにもかかわらず有能な指導者であることを証明した。最大の勝利と言えるのが110年に行われたアイルの戦いであり、帝都艦隊とサマーセット・アイル海軍は、サイジック教団の魔力と力を合わせ、侵略してくるピアンドニアの大艦隊を壊滅させることに成功した。皇帝の兄弟であるリルモスのマグナス王、ギレインのセフォラス王、そしてソリチュードの狼の女王ことポテマ?も、それぞれ良く治め、帝都?とタムリエル?の諸王国との関係は非常に良好なものとなった。それでも、帝都と、ハイ・ロック?およびスカイリム?の王たちと間に横たわる傷跡は、何世紀にも渡って放置されたとしてもすべて消えるわけではなかった。 妹とその息子ユリエル?が珍しく訪ねてきていた間に、即位してから様々な病気を患っていたアンティオカス?は昏睡状態に陥った。何ヶ月にも渡って彼は生と死の境目をさまよい、その間に元老院は15歳になる彼の娘キンタイラ?を後継者として即位させる準備を進めた。 第三紀120年 「お母さん、キンタイラ?と結婚はできないよ」と、提案に機嫌を損ねたというよりはおもしろがっている様子でユリエルが言った。「彼女はいとこじゃないか。それに確か、元老院の貴族モデラスと婚約しているはずだよ」 「潔癖性ねえ。物事には外せない時機と場所があるのに」と、ポテマ?は言った。「でもモデラスについては言うとおりね。それにこの重要な時期に元老院を怒らせるのも良くないわ。ラクマ王妃についてはどう思う? ファーランではずいぶん長く一緒にいたわよね」 「彼女はいいと思うよ」と、ユリエルは言った。「まさか、淫らな話まで聞きたいというわけではないよね?」 「それは遠慮しておきます」と、顔をしかめながらポテマ?が言った。「でも結婚はするの?」 「たぶんね」 「いいわ。じゃあ私がお膳立てするから」と、忘れないように書き留めてからポテマ?が続けて話した。「レロモ王を同盟者としてつなぎ止めておくのはたいへんだったけど、政略結婚でファーランを味方につけておけるはずだわ。必要な存在だものね。葬式はいつ?」 「誰の?」と、ユリエルは言った。「アンティオカス伯父さん?」 「当たり前でしょう」ポテマ?がため息をついた。「最近、他に誰か注目すべき人が死んだとでも?」 「レッドガード?の子どもたちがたくさん廊下を走り回ってるから、たぶんセフォラスが到着したんだと思う。マグナスも昨日宮廷に来たから、もうすぐなんじゃないかな」 「じゃあそろそろ元老院に演説を聞かせなきゃ」と、笑いながらポテマ?が言った。 いつもの色彩豊かな婦人服ではなく、黒い服を彼女は身にまとった。嘆き悲しんでいる妹らしく見えることが大切だった。鏡に映し出してみると、53年間の自分の人生そのものがそこにあると思った。とび色の髪には白髪が目立っていた。スカイリム?北部の長く寒い冬が、蜘蛛の巣のように薄く、シワの地図を彼女の顔に刻んでいた。それでも、微笑んでみせれば相手の心をつかむことはできるし、顔をしかめてみせれば恐怖を引き起こすことができるのを彼女は知っていた。目的のためにはそれで十分だった。 ポテマ?が元老院に対して行った演説は、弁論術を学ぶ学生たちにとっては大いに参考になるに違いない。 彼女はまず、追従と卑下から話を始めた。「我が友人であり、この上ない威厳と見識を兼ね備えておられる元老院議員の皆さま、一地方の女王に過ぎない私ではございますが、皆さまがすでに思案されているであろう問題をあえてここに持ち出さずにいられません」 さらに彼女は、欠点をものともせず愛される支配者であった亡き皇帝を褒め称えて見せた。「真のセプティム家の男として、また偉大なる戦士として、兄は――皆さま方のご助言を得て―― 無敵とされた隣国ピアンドニアの大群も掃討しました」 しかしほとんど時間を無駄にすることなく彼女は肝心な点へと話を進めた。「残念ながらマグナ女帝は、我が兄の好色な気質を満たす手立てを何も取りませんでした。実の話、帝都のスラム街にいる娼婦の誰よりも数多くのベッドに横たわった経験を女帝はお持ちなのですが。もしも宮廷内の寝室でのお勤めをもっと誠実にやっておられれば、皇帝には本当の後継者ができていたはずです。我こそは皇帝の子だと言い張る、あの頭の弱い、腰抜けの畜生みたいな連中ではなく、本当の後継者がです。キンタイラとかいう娘はマグナと衛兵隊長との間にできた子だと広く信じられております。あるいは溜め池の掃除係の青年とマグナの子かもしれませんわね。確かなことは分かりません。我が息子ユリエルほど血統が明確な子は他にいないのです。ユリエルこそがセプティム王朝の末えいです。皆さま方、帝都の皇帝というのは、玉座に座った庶子という意味ではありません。それだけは間違いありません」 穏やかに、しかし実行動を要請する言葉で彼女は演説を締めくくった。「皆さま方が後世に恥じることのないよう、何をすべきかご存じのはずです」 その夜、宮廷の食堂室のうち彼女が最も気に入っている地図の部屋で、ポテマ?は兄弟とその妻たちをもてなした。壁全体に、帝都と、その外側にあって存在を知られているすべての大地、すなわちアトモラ、ヨクンダ、アカヴィリ、ピアンドニア、スラスが、色あせてきているとはいえまだ鮮やかに描かれていた。頭上には巨大なドーム型のガラス天井があり、雨に濡れ、天の星々の光をゆがめて映し出していた。一分おきに稲妻が光り、そのたびに亡霊のような奇妙な影が壁に映った。 「いつ元老院に話をするの?」と、料理が用意されてからポテマ?が聞いた。 「するかどうか分からないよ」と、マグナスは言った。「言うことなんて何もないし」 「キンタイラの即位が宣言されたら僕は話をするよ」と、セフォラスは言った。「僕とハンマーフェル?は即位を支持するということを、形式的に示すためだけにね」 「ハンマーフェル?全域を代表して?」と、からかうような笑みを浮かべてポテマ?が聞いた。「レッドガード?はさぞかしあなたのことがお気に入りなんでしょうね」 「ハンマーフェル?と帝都?の関係は独特なのよ」と、セフォラスの妻ビアンキが言った。「ストロス・ムカイ条約以降、私たちは帝都?の一部ということになったけど、支配下にあるわけじゃないわ」 「あなたはもう元老院にお話ししたようね」と、マグナスの妻ヘレナがきびきびした口調で言った。彼女は生まれつきの外交家だったが、アルゴニアン?王国を統治するシロディール?の支配者として、逆境を認めた上で立ち向かうやり方を知っていた。 「ええ、したわ」と、蒸し焼きのジャルフバードを味わうためにちょっと間をおいてからポテマ?が言った。「今日の午後、即位のことで短い演説をしたのよ」 「姉さんは、一流の演説家だからね」と、セフォラスは言った。 「言い過ぎよ」と、笑いながらポテマ?が言った。「演説より得意なことはたくさんあるわ」 「たとえば?」と、微笑みながらビアンキが聞いた。 「演説で何を話したのか訪ねてもいいかな?」と、疑わしげな顔でマグナスが聞いた。 食堂室のドアを誰かがノックした。給仕長が何ごとかをポテマ?にささやくと、彼女は微笑み返し、椅子から立ち上がった。 「賢明にことを進めてくれるのであれば、即位を全面的に支持すると伝えたのよ。それのどこに悪意があるというの?」そう言ってポテマ?はワインの入ったグラスを手にドアへと向かった。「ごめんあそばせ。姪のキンタイラが何かお話があるらしいの」 キンタイラは衛兵とともに廊下に立っていた。ほんの子どもではあったが、考えてみれば自分が彼女と同じ年の頃にはマンティアルコと結婚してすでに2年が経っていたのだ。似ている感じは確かにあった。黒い瞳と、大理石のようにきめが細かく滑らかで青白い肌をしたキンタイラは、ポテマ?の目にも若い女王らしく見えた。叔母の姿を目にして一瞬、キンタイラの瞳に怒りが浮かんだが、感情の乱れはすぐに去って、皇族らしい落ち着いた物腰になった。 「ポテマ?女王……」と、キンタイラが穏やかに言った。「二日後に私の即位式が行われると聞きました。あなたの参列は歓迎されないでしょう。お荷物はあなたの召使いに命じてまとめさせてあります。今晩あなたが王国に帰るにあたり、護衛の者をおつけします。以上です。さようなら、叔母さま」 ポテマ?は言葉を返そうとしたが、キンタイラと衛兵は背を向け、廊下の先にある大広間へと戻っていった。狼の女王はその後ろ姿を見つめてから、地図の部屋に再び入った。 「義理の妹さん……」と、深い悪意を示してポテマ?がビアンキに呼びかけた。「演説よりも得意なのは何かって聞いたわよね? 答えは『戦』よ」 スキル書物 書物 アイテム autolink
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概要 16体のデイドラ?について、その特性を抜粋して簡潔にまとめた書物。 少しではあるが、デイドラの秘宝?についても触れられている。 飾り文字の美しい一冊。 価値 4 重量 1 見た目 本(中) 本文 全8ページ。 本文中の「衆生界」とは、いわゆる人間界のことである。 デイドラ全書 (以下はこの大著からの抜粋であり、各デイドラ?の特性を記したものである) アズラ?は闇と光の橋渡しをする神秘の領域である薄暮と黎明をつかさどり、「月影」「薔薇の母」「夜空の女王」とも呼ばれる。 ボエシア?は虚偽と陰謀、秘密裏に行われる殺人、暗殺、反逆、法に依らない権力の転覆などをつかさどる。 クラヴィカス・ヴァイル?は儀式的な祈祷や契約による力の授与や願いの成就をつかさどる。 ハルメアス・モラ?は水晶に投影される運命の流れをつかさどる。星と天から過去や未来を読みほどき、知識や記憶という財宝をその手に有する。 ハーシーン?はデイドラ?の娯楽でもある偉大なるゲーム、狩猟をつかさどり、「狩人」とも「獣人の祖」とも呼ばれる。 マラキャス?は拒絶されしもの、追放されしものたちの後見人であり、誓約や血の呪いの守護者でもある。 メエルーンズ・デイゴン?は、破壊、変化、活力、野望をつかさどるデイドラ?である。 メファーラ?は領域のはっきりしないデイドラ?である。「蜘蛛糸を紡ぐもの」「紡ぐもの」「蜘蛛」としても知られており、衆生界にちょっかいを出すことを生きがいとしているような節がある。 メリディア?は領域のはっきりしないデイドラ?である。生きとし生けるものの活力と関わり合いがある。 モラグ・バル?は衆生を支配し、奴隷とするデイドラ?である。人間の魂を刈り取って懐柔することを望んでおり、そのために衆生界に不和の種をばら撒いている。 ナミラ?は古代の闇をつかさどるデイドラ?である。「霊魂のデイドラ?」とも呼ばれ、あらゆる悪霊や邪霊を統べている。蜘蛛、昆虫、ナメクジなどの人間が本能的に嫌悪する薄気味悪い生物と関わり合いがある。 ノクターナル?は夜と闇をつかさどるデイドラ?で、「夜の女王」としても知られる。 ペライト?はオブリビオン?の最下層階級を統べる「親方」とも呼ばれるデイドラ?である。 サングイン?は快楽主義的な供宴や道楽、よこしまな欲望への耽溺をつかさどる。 シェオゴラス?は乱心をつかさどるデイドラ?で、その真意は誰にもわからない。 バエアニマ?は夢と悪夢をつかさどるデイドラ?で、凶兆はその領域より生まれる。 (「マラキャス?」の項には印がつけられており、『神の怒り』に関する興味深い記述がみられる。要約すると、マラキャス?に祝福されたこの武器は人のために作られたもので、デイドラ?がその力を引き出そうとするとオブリビオン?の虚空へと追いやられてしまうらしい) 「デイドラ?の伝説の秘法のなかでも、「アズラの星?」や「シェオゴラス?のワバジャック?」などはよく知られているが、「神の怒り」や「マッカーンの槌」などは馴染みが薄いようである…… 「ところが、マラキャス?は『神の怒り』を祝福して仲間に対抗しうる力を吹き込んだものの、それが彼らの手に落ちることはどうしても避けたかったため、卑怯者と落伍者との私闘における武器にしようと考えた。こうした事情からマラキャス?は、邪悪な仲間のデイドラ?が武器の力を引き出そうとしても虚空が開いてその者を飲み込み、オブリビオン?の彼方へと放逐されるよう呪いをかけ、そこから時の乱れのない虚々実々の世界へ追い返そうとしたのだ。 書物 アイテム autolink
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10月20日に行われたGrand Coliseum 仙台は、参加者10人、スイスドロー4回戦で行われました。ローウィンのカードが不足する中、黒緑白ロックスを使用した森翔太さんが優勝しました。 決勝戦:森翔太 vs. 村上裕樹 優勝 森翔太 黒緑白ロックス 1 《墓忍び/Tombstalker》 2 《叫び大口/Shriekmaw》 2 《収穫するものテネブ/Teneb, the Harvester》 4 《獣群の呼び声/Call of the Herd》 2 《忘却の輪/Oblivion Ring》 2 《無残な収穫/Grim Harvest》 2 《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer》 2 《ファイレクシアのトーテム像/Phyrexian Totem》 4 《肥沃な大地/Fertile Ground》 2 《殺戮の契約/Slaughter Pact》 3 《突然の死/Sudden Death》 3 《恐怖/Terror》 4 《滅び/Damnation》 4 《調和/Harmonize》 1 《森/Forest》 5 《沼/Swamp》 1 《平地/Plains》 1 《鮮烈な草地/Vivid Meadow》 4 《樹上の村/Treetop Village》 4 《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》 2 《低木林地/Brushland》 3 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》 2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》 1 《ウルザの工廠/Urza s Factory》 サイドボード 3 《根絶/Extirpate》 3 《名も無き転置/Nameless Inversion》 2 《消えない賛歌/Haunting Hymn》 4 《困窮/Distress》 3 《クローサの掌握/Krosan Grip》 1 《無残な収穫/Grim Harvest》 準優勝 村上裕樹 青白ブリンク「BBB」 1 《セラのスフィンクス/Serra Sphinx》 1 《剃刀毛のマスティコア/Razormane Masticore》 2 《吸収するウェルク/Draining Whelk》 1 《マハモティ・ジン/Mahamoti Djinn》 3 《裂け目翼の雲間を泳ぐもの/Riftwing Cloudskate》 2 《霊気撃ち/AEthersnipe》 2 《永劫の年代史家/Aeon Chronicler》 3 《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》 3 《ファイレクシアの鉄足/Phyrexian Ironfoot》 1 《憤怒の天使アクローマ/Akroma, Angel of Fury》 1 《糾弾/Condemn》 1 《謎めいた命令/Cryptic Command》 2 《砕けた野望/Broken Ambitions》 3 《一瞬の瞬き/Momentary Blink》 1 《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》 2 《入念な考慮/Careful Consideration》 1 《記憶への消失/Vanish into Memory》 2 《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer》 1 《連合の秘宝/Coalition Relic》 3 《神の怒り/Wrath of God》 4 《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》 1 《ボリアルの氷棚/Boreal Shelf》 9 《島/Island》 3 《新ベナリア/New Benalia》 3 《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》 4 《平地/Plains》 サイドボード 3 《十二足獣/Dodecapod》 1 《心霊破/Psionic Blast》 1 《霊気撃ち/AEthersnipe》 2 《占有/Take Possession》 2 《塩水の精霊/Brine Elemental》 1 《ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter》 1 《神の怒り/Wrath of God》 1 《忘却の輪/Oblivion Ring》 2 《連合の秘宝/Coalition Relic》 1 《糾弾/Condemn》
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参加者:7人 優勝者::TraceOn ◆LhZoJ/agno 準優勝者:suzu ◆YLptAkV2LE 以下は参加者デッキ TraceOn ◆LhZoJ/agno 殻レクター 3 [M12] Plains (1) 3 [SOM] Seachrome Coast 2 [M12] Sunpetal Grove 4 [SOM] Razorverge Thicket 1 [UD] Yavimaya Hollow 2 [M12] Island (3) 7 [M12] Forest (3) 2 [UL] Treetop Village 2 [MBS] Viridian Emissary 3 [UD] Academy Rector 3 [UD] Yavimaya Elder 3 [M12] Phantasmal Image 4 [M12] Birds of Paradise 1 [M12] Archon of Justice 1 [NPH] Phyrexian Metamorph 2 [M12] Acidic Slime 1 [SOM] Wurmcoil Engine 2 [M12] Sun Titan 1 [M12] Frost Titan 1 [NPH] Elesh Norn, Grand Cenobite 1 [M12] Solemn Simulacrum 1 [MBS] Thrun, the Last Troll 1 [SOM] Sylvok Replica 1 [M12] Gideon Jura 4 [NPH] Birthing Pod 1 [M12] Angelic Destiny 1 [UD] Treachery 1 [M12] Oblivion Ring 1 [SOM] True Conviction SB 2 [M12] Day of Judgment SB 1 [SOM] Sunblast Angel SB 1 [M12] Gideon Jura SB 1 [US] Gilded Drake SB 2 [NPH] Spellskite SB 1 [M12] Stonehorn Dignitary SB 3 [NPH] Beast Within SB 2 [M12] Oblivion Ring SB 2 [M12] Brindle Boar それぞれのカードが持ち味を発揮してくれました。 VSビートダウンがなかったのが助かったのかもしれません。
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概要 スキングラードにあるジュリアノス大聖堂の地階にあるスキル書物。 通常は侵入自体違法だが、クエスト「巡礼」を進めて九大神教団に所属すると普通に入ることができるうえ、書物の取得も適法となる。 価値 100 重量 1 見た目 本(大) 上昇スキル 神秘 本文 全19ページ。 2920 薄明の月(2巻) 第一紀 最後の年 カルロヴァック・タウンウェイ 著 2920年 薄明の月3日 見習いたちが一人一人オアッソムの木へと浮かび上がり、高いほうの枝から果実もしくは花を摘み、地面へと舞い降りてくる様子を、その身のこなしの個人差を含めて、ソーサ・シルは眺めていた。彼は満足げにうなずきつつも、一瞬その日の天気を楽しんだ。大魔術師自身が遥か昔に手本となって作られたとされるシラベインの白い像が、湾を見下ろす崖の近くに立っていた。淡い紫色のブロスカートの花がそよ風に揺られて前後していた。その向こうには大海と、アルタエルムとサマーセット本島を分けるもやがかった境界線が見えた。 「概ね良好だな」最後の見習いから果実を受け取りながら、彼は講評を述べた。手を一振りすると、果実も花も元あった位置へと戻っていた。もう一振りすると、見習いたちは半円状に妖術師を取り囲んだ。彼は白いローブの中から直径一フィートほどの小さな繊維質の玉を取り出した。 「これが何かわかるか?」 修練僧たちは質問の意図を理解していた。すなわち、謎の物体に鑑定の呪文を唱えよとのことだった。彼らは一人一人、目を閉じ、その塊が万物の真実の中にあるのを思い浮かべた。あらゆる物質および精神体がそうであるように、玉は独特の響きを発しており、それには負の要素、鏡面要素、相対経路、真の意味、宇宙における歌、時空の中での性質、そして常にあり続け、いつまでもあり続けるであろう存在の側面があった。 「玉です」ウェレグと名乗る若いノルドが口にすると、年の若い修練僧たちの間で忍び笑いをする声も聞こえたが、ソーサ・シル本人を含め、多くの者は眉をひそめた。 「愚かな答えを返すなら、せめて愉快な答え方をするがいい」妖術師は叱るように言うと、困惑した様子の、若い黒髪のハイエルフの娘に目を向けた。「わかるか、リラーサ?」 「グロムです」と、リラーサは自信なさげに答えた。「ドルーがメフするものです。ク… ク… クレヴィナシムの後で」 「正確にはカルヴィナシムだが、良い答えだ」と、ソーサ・シルは言った。「どういう意味なのか、説明はできるか?」 「わかりません」リラーサは認めた。他の修練僧たちも首を振った。 「物事の理解にはいくつかの層が存在する」と、ソーサ・シルは言った。「そこらの者であれば、物を見る際に自らの考えの中に当てはめる。古き習わし、すなわちサイジックたちの法、神秘に長けた者たちは、物を見てその役割から素性を知ることができる。だが理解に達するには、もう一枚、剥がすべき層が存在する。物をその役割と真実から鑑定し、その意味を解釈する必要があるのだ。この場合、この玉は確かにグロムである。大陸の北部および西部に生息する水棲種族、ドルーが分泌する物質の名称だ。ドルーはその生活環のうち、一年間カルヴィナシムを経て、陸上を歩くことになる。その後、水へと戻ってメフすることになる。すなわち陸上での生存に必要であった皮膚と器官を自ら貪る。そしてこのような小さな玉状のものを吐き出す。グロム、すなわちドルーの吐しゃ物のことだ」 修練僧たちは妙な表情で玉を見つめていた。ソーサ・シルはこの講義が何よりも好きだった。 2920年 薄明の月4日 帝都(シロディール) 「密偵だ」皇帝は風呂につかり、足にできたこぶを見つめながら漏らした。「余のまわりは裏切り者と密偵だらけだ」 妾のリッジャは皇帝の腰に両足を絡めたまま、その背中を流した。長年の経験より、性と官能の使い分けは心得ていた。皇帝がこのような機嫌の時は、落ち着かせるように、なだめるように、誘惑するかのように官能的であるのが正解だった。かつ、直接何かを訪ねられない限りは一言も発しないことだった。 もっとも、すぐに質問がとんできた。「皇帝陛下の足を踏みつけた者がいたとして、『申し訳ありません、皇帝陛下』と言ってきたらどう思う? 『お許しください、皇帝陛下』のほうが適切だと思わんかね。『申し訳ありません』では、まるであのアルゴニアンめが私が皇帝陛下であることを申し訳なく思っているかのようではないか。我々がモロウウィンドとの戦に負ければいいと願っているかのようにな。そう聞こえる」 「いかがなさいますか?」と、リッジャは問いかけた。「鞭打ちに処すべきでしょうか? 所詮はソウルレストの武将に過ぎません。足元に気をつけるよう、思い知らせてやるのもいいでしょう」 「余の父であれば、鞭打ちにしていただろう。祖父であれば処刑していたな」と、皇帝は不満そうに言った。「だが私は足くらいならいくら踏まれてもかまわん。相応の敬意さえ表してくれればな。そして、謀反を企てなければな」 「せめてどなたかは信用なさらないと」 「おまえだけだよ」皇帝は微笑み、僅かに身体をひねってリッジャに接吻をした。「息子のジュイレクもだろうな。あいつにはもう少し慎重さがほしいが」 「議会と、摂政様は?」と、リッジャは尋ねた。 「密偵の群れと、蛇だ」皇帝は笑い、再び妾に接吻した。愛し合い始めつつ、彼はささやいた。「おまえさえ忠実であれば、余は何とでもなる」 2920年 薄明の月13日 モーンホールド(モロウウィンド) トゥララは黒い、装飾された街の門の前に立っていた。風が彼女の体に吹きつけていたが、何も感じなかった。 公爵はお気に入りの愛人が妊娠したと知って激怒し、彼女を追放したのだった。何度も何度も面会をと懇願したものの、衛兵に追い返されてしまったのだ。彼女はついに家族のもとに帰り、真実を伝えたのであった。真実を隠し、父親が分からないと言い張りさえしていれば。兵士でも、流れ者の冒険者でも、誰でもよかったのに。だが彼女は父親は公爵、すなわちインドリル家の一員であると話したのだった。誇り高きレドラン家の者である以上、彼らのとった対処はやむを得ないものであり、そのことは彼女も承知していた。 トゥララの手には、父が泣きながら押しつけた追放の烙印が焼きついていた。だが、彼女にとっては公爵に受けた仕打ちのほうが遥かに苦痛であった。トゥララは門を通して真冬の荒野を見渡した。歪んだ姿で眠り続ける木々と、鳥のいない空。もはや、モロウウィンドに彼女を受け入れてくれるものなどいない。遠くへ行かなければ。 重い、悲痛な足取りで、彼女の旅は始まった。 2920年 薄明の月16日 アネクイナ(今日のエルスウェーア)、センシャル 「何かご心配事でも?」と、ハサーマ王妃は夫の機嫌の悪さに気づいて尋ねた。普段は恋人の日の夜となると、夫は大抵上機嫌になり、他の招待客と共に舞踏場で踊っているのが常であったが、今夜は早めに引き上げてきたのであった。王妃が様子を見に行くと、彼は寝床で身体を丸め、眉をひそめていた。 「あの忌々しい吟遊詩人が聞かせたポリドールとエロイサの物語、あれで気分を害してしまったよ」王は不満そうに唸った。「どうしてあのような気の滅入るような話をするのだ?」 「ですが、それこそがあの物語の真実ではないのですか? 世の理の残酷さゆえに破滅を迎えたのでは」 「真実かどうかは、どうでもいいことだ。くだらん話に、下手な語り手だ。もう二度とやらせはすまい」ドローゼル王は寝床から跳ね起きた。その目は涙で曇っていた。「どこの出だと言っていたか?」 「ヴァレンウッド東端のギルヴァーデイルだったかと」と、王妃は動揺した様子で答えた。「あなた、何をなさるおつもりなのです?」 ドローゼルは一瞬で部屋を出、塔へと続く階段を駆け上がっていった。ハサーマ王妃は夫の意図を察していたとしても、彼を制しようとはしなかった。最近は妙な言動やかんしゃくが目立ち、ひきつけさえ起こしていたのだった。だが彼女は王の乱心の根深さも、吟遊詩人、および彼が語って聞かせた人間たちの残酷さと異常さに関する物語に対し、王がどれだけ憎しみを感じていたかも気づいていなかったのである。 2920年 薄明の月19日 ギルヴァーデイル(ヴァレンウッド) 「もう一度よく聞くんだぞ」と、年老いた大工は言った。「三つめの部屋に黄銅のくず鉄があるなら、二つめの部屋に金の鍵がある。一つめの部屋に金の鍵があるなら、三つめの部屋には黄銅のくず鉄がある。二つめの部屋に黄銅のくず鉄があるなら、一つめの部屋に金の鍵がある」 「わかったわ」と、婦人は言った。「言われた通りにね。だから一つめの部屋に金の鍵があるわけでしょう?」 「違う」と、大工は答えた。「もう一度最初からいくぞ」 「お母さん?」と、少年が母親の袖を引っ張って言った。 「ちょっと待っててね、お母さんお話し中なの」母親は答えると、謎かけに意識を集中させた。「あなた言ったわよね、『二つめの部屋に黄銅のくず鉄があるなら、三つめの部屋に金の鍵がある』って」 「いや、違う」大工は根気よく答えた。「三つめの部屋に黄銅のくず鉄があるのは、二つの……」 「お母さん!」少年が悲鳴を上げた。母親はようやくその意図に気づいた。 明るい赤色の霧が波となって街に押し寄せ、建物を次々と飲み込みつつあった。その前を赤い皮膚の巨人、デイドラのモラグ・バルが大股で歩いていた。その顔に笑みを浮かべて。 2920年 薄明の月29日 ギルヴァーデイル(ヴァレンウッド) アルマレクシアは辺り一面の泥沼の中で馬を止め、川の水を飲ませようとしたが、飲みたがらないどころか見ずに嫌悪を覚えているようであった。モーンホールドからかなりとばして来たことを考えれば、喉も渇いているはずである。妙だ。彼女は馬を下りると、一行のいる方へと足を運んだ。 「現在位置は?」と、アルマレクシアは尋ねた。 婦人の一人が地図を取り出した。「ギルヴァーデイルという町に近づきつつあるはずですが……」 アルマレクシアは目を閉じ、すぐにまた開けた。その光景は耐え難いものであった。従者たちが見ている中、彼女は煉瓦と骨の欠片を拾い上げ、その胸に抱いた。 「アルテウムへと急ぐぞ」と、彼女は静かに言った。 この年は、蒔種の月へと続く。 スキル書物 書物 アイテム autolink
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大会概要 25名参加 優勝者:EL ◆9FFmwFto1c 準優勝者:avecAnne ◆rcYoGu6ub. 以下は参加者デッキ EL ◆9FFmwFto1c 青白PWコントロール 4 [M10] Glacial Fortress 2 [ZEN] Arid Mesa 5 [ZEN] Plains (1) 7 [ZEN] Island (1) 4 [WWK] Celestial Colonnade 2 [ZEN] Sejiri Refuge 2 [WWK] Tectonic Edge 4 [ROE] Wall of Omens 3 [M10] Baneslayer Angel 2 [WWK] Everflowing Chalice 4 [CFX] Path to Exile 3 [ALA] Oblivion Ring 3 [ZEN] Day of Judgment 2 [CFX] Martial Coup 2 [M10] Mind Spring 3 [WWK] Jace, the Mind Sculptor 2 [ALA] Elspeth, Knight-Errant 2 [ROE] Gideon Jura 4 [ZEN] Spreading Seas SB 1 [ALA] Oblivion Ring SB 1 [ZEN] Day of Judgment SB 1 [M10] Mind Spring SB 4 [M10] Negate SB 2 [CFX] Celestial Purge SB 3 [WWK] Kor Firewalker SB 1 [ZEN] Kor Sanctifiers SB 1 [M10] Jace Beleren SB 1 [ARB] Meddling Mage 何実の大会だとほとんど居ないので青白で出てみました。 何実の仕様で全体除去を多目にしました。 あとは思考の泉ですね、好きなカードです。 ハンデスから一気に回復可能したり膠着状態を一気に打開したり手元にあると安心します。